今日は農産物の中の硝酸態窒素濃度が高いと何が悪いのかについて書いてみます。
一般に、自然に存在する土の中の窒素だけでは農作物は育たないため、農業分野では化学肥料が多用されます。窒素が過剰な土で育った農産物は、必要以上に硝酸態窒素を吸収し、硝酸態窒素が多く残留した農産物になってしまいます。
現在栽培されている農産物の多くは、硝酸態窒素の濃度が増加傾向にあると言われています。窒素は農作物の栽培に必要不可欠ですが、適正量の化学肥料の使用に抑えないと人の体に悪影響を与えます。
問題はここからですが、人が硝酸態窒素を過剰摂取すると「発がん性」や「メトヘモグロビン血症」発症のリスクが高まるということです。
硝酸態窒素は、そのままの状態では有害ではありませんが、体の中で還元反応を起こし亜硝酸態窒素になると胃の中の2級アミンと結合し、発がん性が高まっていくのです。
さらに、亜硝酸態窒素は体の中で酸素を運ぶ役割である「ヘモグロビン」と結合し「メトヘモグロビン」になります。メトヘモグロビンは酸素を運ぶことが出来ないので、全身に酸素が行き届かなくなります。
この症状を「メトヘモグロビン血症」と言い、チアノーゼを引き起こしてしまいます。 硝酸態窒素の基準値は、日本では水道水にのみ設定されており、農産物には設定されていないのが現状です。
明瞭な基準値がない中でさまざまな農産物が市場に流通していますが、 人の健康を守るためにも化成肥料の使用料を最小限に抑え、有機を主体とした栽培管理を行うことで、 硝酸態窒素含有量の少ない農産物をつくり得る。 こうした栽培管理が出来るのは「篤農家ならでは」であり、健康な農産物を皆さんに召し上がっていただき、日々の健康活動の手助けをしていきたいと私は考えています。