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谷山ぶどう園

谷山 正人(たにやま まさと)
農家としての心構え「最高の味、最高の美味さを追求しつづけることこそブドウ生産の神髄」

谷山さんは、宮崎県小林市のブドウ篤農家の⻑男に生まれました。

祖父は養豚業を営んでいましたが、父の作治さんが高校卒業後、実家に戻った際に新たな事業展開として、昼夜の温度差の激しい小林市の気候を利用したブドウ生産に着目し、生産に着手。

当時、小林市はブドウ農家こそ存在はしていましたが、小規模かつ農協出荷のみでした。


作治さんはブドウに付加価値を設けることにこだわり、緑、⾚、黒の3品種を組み合わせて、「三色ブドウ」 として直売を行なったところ、消費者より「1箱で色々な色と味が楽しめる」と話題になり「三色ブドウの作治」の名が世に広く知れわたりました。


正人さんは小林高等学校の普通科を卒業後、宮崎県立農業大学校へ進学。各種果樹の中からブドウを専攻し、午前中は学科授業、午後からは現場研修でブドウ全般の知識を深めていきました。


20歳で大学校を卒業後、担任からの打診で岡山県のブドウ篤農家において1年間住み込み研修を実施。この時、谷山さんは人生で忘れられないブドウの品種に出会います。その名も「オーロラブラック」です。当品種は岡山県オリジナル品種で、脱粒しにくく、明らかな高糖度や漆黒の果色が見事で、種なし大粒で食べ応えのあるブドウであるため谷山さんは、「いずれ地元に帰って作るぞ」と奮起し、技術習得に励んだのでした。


「オーロラブラック」は巨峰、ピオーネにつづく黒系のブドウとして市場評価は極めて高いですが、岡山県のオリジナル品種であるため岡山でのみ生産が可能で、当時は地元での生産を諦めることとなります。


岡山で1年間の研修の後、21歳で小林市に帰り、父親のもとで本格的に就農。当時はロザリオビアンコ、オリンピア、巨峰、ピオーネ、デラウェア、マスカットベリーAと、20種類に及ぶブドウの品種を生産していました。


24歳の時、直売メインとなり、⻘系ロザリオビアンコ、⾚系オリンピア、黒系巨峰の三色セットが大きく評価され、顧客数が大幅に増えました。

26歳の時、種あり品種である⻘系のロザリオビアンコは、花の時期に異常気象がつづくと種の入らない房が生じて、まともなブドウにならないことから品種変更を余儀なくされます。


こうした中で新たに誕生した品種こそ、お馴染みのシャインマスカットです。当品種は2006年に品種登録された新品種で、大粒で食味良好の二倍体ブドウ、糖度が高く18度以上にもなります。種なしで皮ごと食べられるブドウとして大きな評価を受けています。


27歳の時、ロザリオビアンコの生産を中⽌。⻘系のブドウがシャインマスカットに統合され、⻘系シャインマスカット、黒系ニューピオーネ、⾚系オリンピアの三色セットで展開を図ります。


シャインマスカットは大変人気のある品種ではありますが、作り手にとっては肥料をたくさん与えると樹勢が強くなりすぎて、わき芽が出つづけて芽かきが大変になるので、効率を高めるためにも適正な肥培管理をしなければならず、栽培技術が求められます。

29歳の時、⾚系ブドウであるオリンピアを生産中⽌し、安芸クイーンやゴルビーに品種変更を図ります。


33歳の時、⾚系ブドウがクイーンニーナに品種統合され、晴れて現行の⻘系シャインマスカット、⾚系クイーンニーナ、黒系ニューピオーネの三色セットが谷村ぶどう園の柱となります。

この頃より小林市は大雨や強風の影響、気温の上昇で夜温が下がらなくなるなど、毎年頻発する異常気象で安定したブドウ生産に高い技術が求められるようになります。


そのため谷山さんは、異常気象に耐えるための土づくりに力を入れてきました。化成肥料は使わずに、牛糞、豚糞、鶏糞を最適な割合で混合して完全発酵させた完熟堆肥を活用して土壌改良に取り組み、土をふかふかにして根が自然と張りやすい環境に。その後、世界最先端のアミノ酸系の発根材を使用して根づくりを重視。


地下部をしっかり作り込むことで環境ストレスから樹全体を守る技術を10年間かけて確立します。


33歳から現在に至るまで三色セットの品種は変わることがありませんでしたが、昨今、岡山県でしか生産できなかった「オーロラブラック」が県外解禁となり、小林市でも生産可能となるため、自ら惚れ込んだ漆黒のブドウを本格的に生産 。


「黒系オーロラブラック・⻘系シャインマスカット・⾚系クイーンニーナ」の三色でセット組みし、「谷山さん渾身の作」として世に打ち出していく予定です。


とはいえ谷山さんのブドウは大変人気が高く、毎回自社の直売所で販売すると瞬く間に完売してしまうので、購入したい顧客が後を絶たず、毎年予約待ちの状況がつづいています。


こうした中、ネット環境で全国のお客さまに我が子のように育て上げたブドウをお届けしたい、食べて評価してもらいたいと極鮮マートへの出品に踏み切ります。


谷山さん曰く「フォクシー香漂うシャインマスカットをはじめ、まずは香りを楽しみ、その後、口の中全体に広がるはっきりした甘さを感じてほしい」「香りと甘さの両立、最適なバランスで作りあげたブドウを味わってほしい」とのこと。


「商品が到着したらすぐに軽く水洗いし、濡れたまま冷蔵庫に3~4時間入れて食べてほしい」、食べきれない場合は「ヘタ付きでブドウをカットし、容器に入れて野菜室で保管すると⻑持ちする」。さらにブドウシャーベットもおすすめで「到着後すぐにヘタを落として冷凍庫で凍らせ、冷蔵庫から出して10分程度置き、半解凍状態で食すと絶品」と語る谷山さん。


日本一美味しいブドウを目指し、「本当に美味しいブドウは香りと甘味のつり合い」と語ります。極鮮マートの皆さまには最高級の秀品しかお届けしません。谷山さんのブドウはまさしく特級品です。

谷山ぶどう園のこだわり

主枝延⻑枝の適正管理

樹の勢いが強いと伸びてくる枝(延⻑枝)も太くなり、栄養生⻑に傾いて新芽が出なくなってしまったり、芽が飛んでしまうことが多く、結果的に実つきや品質、食味が悪くなります。若木の時から根づくりを重視して必要以上のストレスを与えない栽培管理を徹底することで健全な樹づくりを行なっています。

樹齢に応じた適正着房数の維持

樹の年齢によって適正な着房数は決まっていますが、谷山さんは平均として10a当たり1.8トンの収穫量を目標に生産しています。ブドウは永年性果樹であるため、果房を沢山ならせ過ぎるとストレスで次年度に収穫量が落ちてしまうことから、毎年安定した収穫量を維持するためにも「ならせ過ぎ」は禁物です。

樹で完熟させてから出荷を行う

谷山ぶどう園では、消費者に最高の状態で提供することを最重視しています。そのため出荷の前に毎回谷山さん自らブドウを食べて、味を見極めてから出荷しています。

第一に酸味が落ちて甘さが増しているかの確認ですが、若年層は糖度重視、ブドウを良く理解している方は糖酸比を重視しているので、顧客層によって「求める味」と「味覚」が異なることから判断が非常に難しいです。谷山さんは消費者がどのような味を好むのか、日々探求心をもって生産に取り組んでいます。

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