坂本 真悟(さかもと しんご)
農家としての心構え「美味しいミニトマトを作って人を喜ばせることこそ我が人生」
坂本さんは、父が大玉トマト生産を営む専業農家の家系に生まれました。
幼少期から父や⺟の手伝いを行うも、当時は農家になる気はなかったそうです。その後、中学生の時に坂本さんの父が持病を患い、実質的な農業経営は⺟が行うように。高校は⺟のすすめで地元である熊本玉名の公立高校に入学しました。当時の坂本さんは服飾業界に興味があり、高校卒業後に全国的に有名なアパレル企業に就職しました。
サラリーマンとして1年間を過ごした後、父の体⼒低下と⺟からの声掛けにより、19歳で実家に戻り農作業の手伝いを開始。坂本さんは大玉トマトを観察して毎日変化していく姿、発芽して生長する植物の生命⼒、果実が色づいたときのインパクトを受けて栽培を極めていく過程に陶酔し、植物を観察しつづける面白さに目覚めていったのです。
24歳の時に坂本さんの父が他界。⺟の手助けをしなくては、という気持ちが一層強くなり、「いまの自分では経営者としては未熟である」との判断から、本腰を入れて自己研鑽を行うようになりました。
25歳の時に⺟から「父は栽培、⾷味に対するこだわりは人一倍あったが、それゆえの少ない収穫量であり、経営的には厳しいものがあった。今後の方針として収穫量を重視した栽培にシフトすべき」との指示を受けましたが、非常に悔しい思いでした。
坂本さんには「美味しいトマトを作りながら同時に収穫量を増やすことは実現可能」との強い信念があり、一種の反骨精神から、さまざまな農業系企業のセミナーに参加しつつ、専門書籍を読み漁り、トマト栽培に対する幅広い知識を身に付けていきます。
29歳の時に⺟より経営移譲し、この際に取引先企業の紹介で、高糖度かつ⾷味の優れるミニトマトの品種「トマトベリー」との運命的な出会いがあり、まずはハウス1棟で試験栽培を開始しました。
当時、農協向けに大玉トマトの指定品種を出荷している中で、すべての農場をトマトベリーにシフトさせるまでの気概はありませんでした。
しかし坂本さんは自らの販売ルートで成功してみたいという気持ちが強く、栽培2年目には地元のスーパーや直売所への出荷を開始し、次第にトマトベリーの栽培面積を広げていきます。この時、坂本さんはトマトベリーを「真ごのトマト」と命名し、少しずつブランド化を進めていくのです。
31歳の時に、近所の白イチゴ生産で大成功を収めている友人から、東京で開催される商談会への共同参加を打診され「真ごのトマト」を出品。現地にて大きな評価を受けることになります。
特に今でもご縁がつづいている生協の担当者が 「真ごのトマト」を気に入り、取引を開始することに。担当者からは、「有機にこだわったミニトマトであるかどうか」を確認されましたが、坂本農園は「熊本県特別栽培農産物」以上の基準でトマトを栽培しているため、難なく条件をクリアすることができたのです。
その後、東京商談会には3年連続で参加し、いずれも高評価。大成功を収めました。33歳の時には九州の大手スーパーチェーンとの取引を開始。37歳の時には「真ごのトマト」が生協チラシの表紙を飾り、1週間のうちに1トンを捌くこととなります。
今では主要取引先だけでも、生協、大手スーパーチェーン(九州、北海道、関西)にも出荷するようになり、すぐに完売する状態がつづいています。以前は大手ECサイトでも販売していたのですが、それも難しくなりました。2025年には有機JAS認証を取得予定です。
このような状況において、極鮮マートの理念に共感いただき、出品することに。
「はじめは生⾷でお召し上がりいただき、美味しさを実感してほしいです。うま味成分のアミノ酸が豊富ですので、子どもがバクバクほおばってやまないというお声もいただいています。半切りしたミニトマトにチーズ、鶏のモモ肉を混ぜて塩胡椒で炒めるのもおすすめです」とは坂本さん談。
坂本さんは日本一美味しいミニトマトを目指しており、その原動力は「食べてくださった方の笑顔」です。ぜひ坂本農園のトマトをお召し上がりいただき、笑顔になっていただけましたら幸いです。
坂本農園(真ごのトマト)のこだわり
有機JAS認定資材を活用
有機JAS認定資材のキチン酵素、にがり、木酢&⾷酢(酵⺟)を定期的に葉面散布することで糖含量の高い葉をつくり、葉の色つやが高まって、曇天の環境下でも光合成能⼒を最大限高める栽培管理を行なっています。
土質や水質に合わせた栽培管理
使用する地下水のpHが7.5と高いため、にがり、木酢、⾷酢を定期的に灌水することで、高pHを中性にもっていく土壌pH管理を行なっており、微量要素欠乏症などの問題点を解決しています。また、保水性の低い砂質土壌では多回灌水、保水性の高い粘土質土壌では減量潅水をすることで品質の安定に努めています。
土づくり
有用微生物と有機JAS認定資材であるバーク堆肥、米ぬかを使用した土壌還元消毒を行い土壌病原菌に対抗する土壌の⼒を高めています。元肥としては有機JAS認定の土壌改良材である輝緑石(微量要素補給)、カニガラ(キチン酵素)、70%含有の腐植酸資材を投入、窒素系の元肥は使用していません。追肥には有機JAS認定資材であるフルボ酸やアミノ酸から抽出した液肥を定期的に使用し、土壌善玉菌の餌として供給しています。
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