漢 徳永 卓也(とくながたくや)35歳
農家としての心構え「丹精込めてつくったブドウを食べてお客様にお喜び頂く事こそ我が幸せ、美味しいブドウづくりに命を懸ける人生道」
徳永さんは大分県竹田市荻町でブドウや乾燥野菜の生産を営む兼業農家の⻑男として生を受けます。徳永さんは農家としては3代目、就農当時はアスパラガスやピーマンの生産を行っていましたが、現在は祖父や⺟から受け継いだ家業品目であるブドウの生産に力戦奮闘している篤農家です。
徳永さんの祖父である重利さんは現在88歳、その祖父が荻町でブドウの生産を始めたのが今から30年前に至ります。この当時荻町はトマト、スイートコーン、椎茸の産地でした。徳永さんの幼少期、重利さんは荻町の町議会議員であり、町おこしで新たな品目を育てていく構想を議会に立案、その際ブドウに目を付けた重利さんは先陣を切って⻄⽇本有数のブドウ産地で有名な大分県宇佐市安心院町に赴き、ブドウの生産技術を身につけます。その後、荻町に戻った重利さんはブドウ向けの樹園地を造成し、ピオーネを2反植栽、新たな地域産業の柱として動き出します。
更に、重利さんは徳永さんが1歳であった平成2年に有限会社 徳永食品を創業、町おこしの一環で地元の農家からダイコンやダイコン菜を買い上げ、乾燥加工して販売を行う新規事業を立ち上げます。こうした行動力のある重利さんの元で育てられた徳永さんは幼少期より祖父の手伝いを自然と行う様になります。
徳永さんは自らの実力を試すべく進学校で有名な大分県立竹田高等学校普通科に進学、卒業後に同志社大学理工学部に進学後、荻町に戻ります。23歳で地元に戻った折、友人の紹介で遠縁の親戚であった妻と出会い結婚、23歳から26歳までは会社員としての生活を営む傍ら、徳永食品の生産部門でピーマンとアスパラガスを生産、更に家業のブドウ生産を手伝う毎⽇を過ごします。
27歳の時、ピーマンの圃場の一部をシャインマスカットとピオーネに品目転換、29歳の時、ピーマンの圃場をブドウに1本化します。31歳の時、アスパラガスの圃場をナガノパープルとクイーンニーナに品目転換、祖父よりピオーネの圃場を本格的に譲り受け、圃場全体を100%ブドウ樹園地とし、品目統一を図ります。
34歳の時、シャインマスカットが多くの市場に出回り希少性が失われていく中、当品種に替わる新たな特⻑を有する品種の必要性に気づき始めます。それゆえ、次世代の消費者に向けた新たなアプローチとして、見た目にインパクトのある巨大粒3品種(天晴・バイオレットキング・グロースクローネ)を植栽し、自社ブランド戦略の方向性を見定めています。
35歳の今年は鶏の卵大に太るともされる巨大粒品種「雄宝」を新たに植栽予定であり、特に若いお客様に対して「見て・触って・写して楽しめるブドウ」の生産及び数年後の販売に向けて大きく舵を切っています。
徳永さんは数々の植栽ブドウの品種の中でも特に「ナガノパープル」に対して強い愛着を抱いています。
「ナガノパープル」は⻑野県果樹試験場において「巨峰」と「ジザマート」を掛け合わせて平成2年に作出された品種で平成16年に品種登録がされ、⻑らく⻑野県でしか栽培できない品種でしたが、平成30年に⻑野県が流通量の拡大を目的に県外栽培を許可した事から、ご当地荻町でも植栽が可能になりました。
「ナガノパープル」はシャインマスカットとほぼ同じ時期に育成された「皮ごと食べられるブドウ」の先駆け的な品種です。当品種は渋味が少なくさっぱりとした⽢味が特⻑の高級ブドウであり、皮のシャリシャリ感が果実のうま味を一層引き立てるが如く、食味の良さは折り紙付きではありますが、如何せん他品種に比べて裂果しやすいのが欠点。肥大しやすく大果になる半面、皮が薄い事から、栽培中ならまだしも出荷を目前に控えた時期に裂果が発生し、商品価値が失われてしまうゆえ農家泣かせの品種であるともいえます。
「ナガノパープル」の裂果は急激な降雨によって進むゆえ、本質的に施設栽培が適しています。ご当地荻町をはじめ九州のブドウ産地では台風や急激な豪雨が多く裂果を毛嫌いして植栽を敬遠する農家が多いのが特徴で、本来ならば⻑野県北信地区の様に降雨の少ない産地向けの品種。それゆえ、荻町で高品質な「ナガノパープル」をつくる事は至難の業であり、徳永さんは収穫期の集中豪雨によって急激な水が果実に流入しないよう、水分管理には人一倍気を遣っています。
更に当品種は花が満開になった際の花粉が非常に多く、開花後の花カスを適正に処理しないと果肉に傷がつき、最終的に果皮が茶色く変色し見た目が悪く、秀品率が低下してしまう事から、他品種に比べて花後の花カス除去に十分気を配らねばなりません。
「ナガノパープル」の食味は収穫時点が最高で、⽇が経過するにつれて酸度が抜けて味がぼやけてくる事から、一般市場流通で3〜4⽇間以上を経て消費者のお手元に届いた時には既に収穫時点の最高の食味、食感は味わえないのです。それゆえ、「獲れたて」の果実をすぐさま箱詰めし産地直送で速やかに消費者に向けて発送し得る直販のメリットは「ナガノパープル」の品種特性上、甚だ有益なのです。
目下、徳永さんが育てるブドウの品種は営利品種だけでもナガノパープル1反、シャインマスカット3反、ピオーネ3反、クイーンニーナ4畝の5品種、更に試験栽培を開始した天晴3畝、バイオレットキング3畝、グロースクローネ3畝の3品種を合わせると合計8品種、総植栽面積8反3畝と大規模に及ぶが、この度は徳永さんが最も愛するナガノパープルを極鮮マートに出品する事に。
ここで、徳永さんの屋号である「うちとくだもん」の由来3選について解説します。①内(お)得だもん、②内徳(永)だもん、③(身)内と果物(くだもん)。消費者の皆様に覚えてもらいやすいダジャレを交えた屋号は農業業界を楽しく伝えていきたいと模索する、徳永さんの経営センスが光っているのではないでしょうか。
徳永さんは大分県竹田市久住町を拠点に活動し、世界観客動員数1000万人の和太鼓演奏集団「ドラム・タオ」と連携し、彼らのファンが阿蘇久住国立公園に設置した「野外劇場TAOの丘」でのスーパーステージを見た後で、徳永さんのブドウ樹園地に案内し、ブドウ狩りを楽しんでいただこうとする画期的な企画を立案、取り急ぎ限定3年間ではありますが観光農園を展開していく等、新たな催しを次々に打ち出そうとしています。
こうした数々の営業企画力によって農業業界を盛り上げたいと考える徳永さんですが、「先ずもって重要な事はブドウを最高品質でつくり切る事」と明言します。如何に画期的な手法で販売経路を構築しても販売する「ブドウの質」が悪ければ消費者はリピーターにならず離れていくだけです。それゆえ、徳永さんは毎⽇欠かさずブドウを観察し、少しの変化も見逃さない千里眼を身につけており、天候変化を見定めながら必要とする業務を常に前倒しで行う事で最高品質のブドウを安定して生産する栽培体系を確立しています。
ご提供する消費者の顔をいつも思い浮かべながら、高級ブドウの安定的な生産に向き合う「ブドウ職人」との異名を持つ徳永さんは⽇本全国からの固定ファンが非常に多く、その農産物はひとたび個別相対や地元市場で販売を行うと高単価でも即時完売するほどの人気で、購入したい顧客が後を絶たず毎年予約待ちの状況が続いています。
徳永さんのブドウは個別相対が全体の30%、市場出荷が60%、量販店向けが10%と固定顧客が全てを占め、一般的には非常に手に入りにくい貴重品となっています。
こうした中、35歳にして「ネット環境で全国のお客様に我が子の様に育て上げた徳永のブドウ、その名も「徳ナガノパープル」をお届けしたい、食べて評価してもらいたい」と極選マートへの出品に踏み切ることとなりました。
徳永さん曰く「最高品質の農産物を適期にお届けする」との事。⽇本一美味しいブドウを目指し、「ナガノパープルは鮮度が命であるゆえ、到着したら直ぐに数時間冷蔵庫に入れて、速やかに召し上がって欲しい」、「ナガノパープルは高糖度であるゆえ、到着して直ぐに冷凍庫に入れて凍らせても完全に固まらず、ブドウシャーベットとして食べると尚また絶品」と語る徳永さん、極選マートの皆様には最高級の秀品しかお届けいたしません。
「徳ナガノパープル」の名を冠する徳永さんのブドウはまさしく特級品。これがうちとくだもんのこだわりです。
うちとくだもんのブドウ
完熟堆肥を活用した土づくり
牛糞堆肥とバーク堆肥を最適な割合で混合し、天水で最低1年間打たせて完全に肥料成分、特に窒素成分を抜き、熟成させて無臭になった完熟堆肥を樹園地に施していきます。ブドウは肥料で育ててはいけないのです。ブドウの様な永年性果樹は前年度に蓄積した貯蔵養分によって翌年に花を咲かせ、果実を実らせていく事から、施肥よりも貯蔵養分を如何に高めるのかが至極重要なのです。そのためには完熟堆肥を活用した土づくりからの根づくりであり、健康な根を地面の下に満遍なく展開させ、土壌微生物が堆肥の有効成分を分解してブドウの根が吸収し、光合成産物と共に貯蔵養分として休眠期を迎える考え方が重要なのです。特に化成肥料を元肥として大量に施すと直ぐにブドウに吸収され、樹勢が強くなってはくるが、急激に栄養生⻑に傾いて果実の食味、品質が低下してしまいます。それゆえ徳永さんは、元肥は入れずに完熟堆肥のみとし、先ずは前年度の貯蔵養分によって育て、個体間差を見極めながら不足してくるタイミングで必要に応じて追肥を施し、地上部と果実、根のバランスを見ながら肥培管理を行っていく様にしているのです。
有機JAS認定の魚エキスを活用している
高糖度のブドウを作り上げる為、徳永さんが自ら選定した有機JAS認定資材の魚エキスを定期的に葉面散布し、葉に活力を与える事で光合成の活性を高め、光合成産物が速やかに果実に養分転流する仕組みを整えています。
果樹栽培では珍しい年間3回の断根処理を施している
樹体中央部から約2m程度離れた場所で、円を描くように土壌表層より地下10㎝程度(作土層)耕耘し、断根処理を施しています。ブドウの根を意図的に切断する事は樹体にダメージを与えてしまうので大多数の生産者は行わない作業ですが、樹姿を見ながらの適切な断根処理であれば寧ろ樹体に刺激が加わり、毛細根の伸⻑が速やかに進んで樹の生命力が高まっていきます。断根の時期は果実収穫後の11月、春先の4月、夏場の7月の3回。徳永さんの樹園地の中に入ると驚くべき事に土が常にフカフカしています。耕耘作業は土中に酸素を供給する目的があり、その酸素に触れて根が活性化し、根力を高める事で環境ストレスにビクともしない健康な樹、そして高糖度の果実が生産可能です。
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